下肢静脈瘤の原因と症状、そのメカニズム、タイプ、合併症について

下肢静脈瘤とは、下肢に青筋が浮き出す、足の血管がこぶのように膨らんだり、むくみ、足がつる、かゆい、皮膚が変色したなどを症状とする病気のことです。

下肢静脈は足先から心臓へ血液を運んでいる血管で、足の表面を走行する表在静脈と筋肉の奥を走行する深部静脈、これらを結ぶ交通枝の3種類があります。
静脈には血液が逆流しないための逆流防止弁があり、立った状態でも重力に逆らって上の方向に血液を送ることができます。静脈血の約90%は深部静脈を流れ、残りは表在静脈を流れています。動脈が心臓からの血液を押し出す力をかけられているのに対して、静脈は呼吸や筋肉の収縮がポンプの役目を果たして静脈血を心臓へ送り出し、弛緩したときに表在静脈から交通枝を通って深部静脈へ血液が流れ込みます。

じっと立っているだけではほとんど筋肉を使わないので、心臓へ血液を送りこむことはできず、血液は足に溜まり、足はむくんだり、つったり、痛くなったりします。

一次性静脈瘤は表在静脈の中にある弁が何らかの原因で機能不全に陥ると、深部静脈を上がってきた血液の合流部から表在静脈の方への慢性的な逆流または、足先の方に静脈血のうっ滞が起こります。また、深部静脈が炎症や血栓による閉塞・狭窄が原因で表在静脈に静脈瘤ができる二次性静脈瘤もあります。

静脈瘤は大きく分けると、伏在型、側枝型、網目状、クモの巣状の4つのタイプに分類され、タイプによって治療法も異なってきます。

伏在型は大腿部の内側や下腿に血管がボコボコと浮き上がる典型的な下肢静脈瘤で、多くの人がこのタイプです。側枝型はさらに末梢分枝が拡張し、孤立してみられるやや細いタイプ、網目状静脈瘤は青色の網目状のやや細めのタイプ、クモの巣状は紫紅色の1mm以下のクモの巣のように広がる細いタイプです。静脈瘤のタイプは通常1つだけでなく、複数のタイプが混在しています。

下肢静脈瘤は女性に起こりやすく、妊娠・分娩(とくに2回目以降に多い)は運動不足やホルモンバランスの変化、大きくなった子宮が下大静脈を圧迫することによる静脈還流の減少が静脈瘤の原因とされています。長時間立ち仕事をしなければならない人、高齢者にも起こりやすいです。
他には遺伝的に静脈の弁や壁が弱い・もろい、外傷による弁の破損などが考えられています。

下肢静脈瘤の原因となっている血管に大きな血栓ができることがあります。まれにこの血栓が深部静脈の内腔をふさいでしまう深部静脈血栓症や、静脈から血流にのり、心臓を経て、肺動脈の血管をふさいでしまう肺塞栓症など、静脈血栓症(俗にエコノミークラス症候群あるいはロングフライト血栓症とも呼ばれる)の合併症が引き起こされることがあります。

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